上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ヴァリエ:「ぐ、ぁっ! や、やめて……。 お願い、します……。」
マニラはヴァリエと向かいあい、一瞬動きが止まった。そして次の瞬間、1階から銃の乱射音が聞こえたと思うと、一気に家が揺れた。
その時、マニラはバランスを取るために総介とヴァリエを掴んでいた両手を離してしまった。
そのチャンスを総介が逃す訳にはいかなかった。
総介は一瞬の隙をついて、剣の鞘をマニラの脇腹に当て、壁に弾き飛ばす。
ヴァリエは頭を抑えて床でうずくまっている。

マニラ=レイモンド:「……ッ」
沖田 総介:「だ、大丈夫か!?」
ヴァリエ:「うぅ、頭が……頭が痛いです……」
沖田 総介:「わ、悪い・・・。俺が不甲斐ないばかりに・・・。」
ヴァリエ:「私こそっ……。ちゃんと逃げてれば、沖田さんに迷惑をかけることはなかったのに……。すみませんっ!」
沖田 総介:「いいんだ。気にしないでくれ。大丈夫だから・・・。」
マニラ=レイモンド:「うがぁぁぁアアア!! こっちにきてくれヴァリエぇええ!」
マニラは立ち上がろうと脇腹を抑えながら体制を整え、顔を総介に向けて睨む。
ヴァリエ:「に、逃げましょう沖田さん……!」
沖田 総介:「その方が良さそうだな。」
総介は近づいてくるマニラを傍目に、ヴァリエを両手でお姫様だっこのように抱えながら、華麗に窓から飛び降りる。そしてヴァリエを下ろす。
窓ガラスが割れる音が聞こえて、それに続いてミリィも家から出てきて合流した。

ミリィ:「! ・・・わお、総介クールだね!」
沖田 総介:「ふっ・・・。なんてな!一時はどうなる事かと思ったがな。アリスが銃ぶっぱなしてくれたおかげで助かったぜ・・・。」
ミリィ:「やっぱり分かっちゃったか。・・・なんてね、水道管壊しちゃったけど多分全壊は防げたよ。」
そうしてお互いの無事を確認し、ヴァリエが何度もお礼を言っているのも束の間、すぐに二階の窓からマニラも飛び出してくる。
ss (2014-04-09 at 08_38_41)

ヴァリエは怯えて、近い総介の後ろに隠れた。背の小さい彼女は、総介の背中に丸くおさまる。

マニラ=レイモンド:「逃がさねェよ……。私は復讐にきたんだよ。私が満足するまで、誰ひとりとして邪魔はさせねェよォオ!!」
ミリィ:「・・・!総介、この人は誰?」
沖田 総介:「俺にもわからん。恐らくドミネーターの勢力だとは思うが。」
マニラ=レイモンド:「そのとおぉぉぉぉり!! 私はドミネーター幹部、マニラ=レイモンドだよォ」
ミリィ:「また相当な悪趣味なのが来たね。」
沖田 総介:「ほー。んじゃ遠慮なくぶっ殺して良いってこったな?お前は俺を怒らせすぎた。」
戦闘態勢を整えた総介を、制止するように先ほどまでと比べると穏やかになった顔を二人に向ける。
だが、その手は怒りに震えていた。

マニラ=レイモンド:「なあ、お前らは愛人を失ったことはあるかァ? そして、年取っても忘れらんねェくらい傷ついてしょうがねえ心を持ったことはあるかァア?」
沖田 総介:「愛人って程じゃないが、一番仲の良かった親友・・・。ドミネーターが作った実験施設で作られたクリーチャーが暴れまわって殺されたよ・・・。」
沖田 総介:「てめぇらドミネーターのせいでなぁ!!!」

マニラ=レイモンド:「くっくくくッ……! あめェんだよ若造。ああ、甘いね甘すぎるねェ! いいぜェどっちの方が怒りに燃えてるか決めようじゃねェかよォ。今ここで、正々堂々となぁぁア!!」
マニラ=レイモンド:「避けんじゃねェぞ小娘ェ!」
ミリィ:「!!」
マニラ=レイモンド:「ほォ。さすが、グレイプニルの犬ときたモンは、ばかにできねェなあ」
ミリィ:「その手の動かし方は分かりやすいよ。・・・でもその光線は反則でしょ・・・。」
余裕を装うとするが相手のスピードに恐れる。
ミリィは咄嗟に能力を使い、手を上げる意識を制止させた。

マニラ=レイモンド:「あァ‥…? なんだこりゃ」
ミリィ:「・・・本当の心、見させてもらうよ。」
ミリィの能力によりマニラの中にある意識を増やし、混乱をもたらさせる。
マニラ=レイモンド:「や、やめろ! てめェ、私に何しやがったッ! く、そ……くそったれが!!」
マニラは突然地面に伏せる。顔は苦渋の表情に歪み、二人を見る目からは、何度か涙が滴るのが見えた。
ミリィ:「悪いけど、君には色々と忘れている事があると思うよ。思い出してほしい。」
それは一瞬のこと。マニラは再び二人のほうを向くと、まるで牙をむいた虎のような威圧を出しながら睨みつけた。
マニラ=レイモンド:「うあァァァアアアア!! ぶ ち 殺 す ! ! ! 」
マニラは自身の雷の拳がミリィの体に直撃するが、ミリィはまったくダメ―ジを食らわなかった。
マニラ=レイモンド:「何ッ…‥?!」
ミリィ:「マニラ、君の悲しみを人に向けるのはただの甘えだよ。ヴァリエちゃんに向けて良いものじゃない。」
マニラ=レイモンド:「うるせェエエエエ!! 私のことを何もしらねェくせに、綺麗事言ってんじゃねェよォォオオオオ!!」
沖田 総介:「過去に大切な人を失ったから復讐だ復讐だ。って言って他人の大切な人を奪っていい道理にはならねぇだろ。」
沖田 総介:「今のお前は所詮ただのテロリストだ。」
ヴァリエ:(沖田さん……)
沖田 総介:「だが、その気持ちはわからなくもないんだ・・・。親友に上司。俺の身近な人が殺されて、復讐したいという気持ちが無くはない。」
沖田 総介:「俺もそこまで鬼じゃねぇ。殺す事まではしねぇよ。だから、どうか頼む。復讐は虚しいだけだ。不毛な争いはやめてくれ。」
沖田 総介:「こんな事敵である俺に・・・。ましてやグレイプニル所属の人間に言われた所で、って話なんだけどな・・・。」
沖田 総介:「この一撃に・・・全てを賭ける!!いけぇぇぇぇぇ!!!」

マニラ=レイモンド:「ああァァアアア!! この一撃で決着をつけてやるよォ!! お前の、その綺麗事含めて、墓地でおねんねしてきなァ!!」
総介の刃は、今度こそマニラを見失わなかった。マニラも、左手にやどった神を総介に向けた。両者が、一歩も譲らない緊張が走る。
総介が駆け出すと、マニラもそれをみて光線を打つ。それは目にも止まらなぬ速さで総介に放たれていった。
しかし、それは総介に当たらない。ヴィストラの銃撃でマニラの左腕を撃ち、総介に放たれたと思われたその光線は、空の彼方へと消えたのだ。
そして、総介は、驚嘆の顔に染まったマニラに向けて、剣を振り下ろす。

マニラ=レイモンド:「できねェなァ……。どうしても、ヴァリエ、お前を殺すなんて、できねェよォ……」
そういいながら、マニラは地面に、意識を落としていった。
沖田 総介:「わりぃな。もうこれ以上大切な人が傷付く所なんて見てらんねぇんだ・・・。死にはしないと思う。ゆっくり休めよ・・・。」
ミリィ:「・・・僕には、やらなくちゃいけないことがある。総介、君はヴァリエを連れて病院へ行って。」
沖田 総介:「何をする・・・?」
ミリィ:「もちろん、人助けだよ。」
沖田 総介:「・・・そいつか。」
ミリィ:「ドミネーターには手を差し伸べる気はないよ。だけどここでのたれ死になんて、僕は見てられないよ。」
ミリィ:「この人はこの人なりの罰を受けるべきだ。」
ミリィ:「僕は彼女の事情がどうだかは知らないよ。だけど、もう一度話す機会をあげてもいいと思う。」
ミリィ:「僕はこの人が悪い人には見えないんだ。」

沖田 総介:「俺が重症を負わせといて何だが、助けてやってくれ。命はこんな簡単になくなっていいもんじゃねぇ・・・。」
ヴァリエがトコトコと物陰から出てきて、二人のやりとりを見つめる。
ミリィ:「うん。じゃあ総介、行こう。」
沖田 総介:「あぁ・・・。」
ローウェン:「お待ちなさい。ミリィさん、あなたは一体マニラをどうなさるおつもりですか」
ミリィ:「もちろん、助けるつもりです。」
ローウェン:「何をバカなことを。悪い冗談のつもりかわかりませんが、もう彼女にはこれ以上関わってはいけません。またいつ目を覚まして君をおそうか、分かったもんじゃありませんよ」
ミリィ:「じゃあその時は、僕が責任をもって殺します。」
ミリィ:「駄目ですか?」

ミリィは真摯にそう答える。
ローウェン:「……前回から私のいうことは何一つ聞いてくれないのですね。マニラはそのままにしておいてくれれば、いずれYDFの連中が運び出しにきてくれるでしょう。野放しにする訳にはいけませんからね」
ローウェン:「だからいまは、そっとしておいてあげてやれませんか」
ローウェン:「YDFは彼女を殺す気はありません。これは私が言うのですから、事実です」
ミリィ:「・・・分かりました。」
ミリィはマニラに近づき、救急セットを取り出す。その中から出てきた包帯を血が流れ出る部分に巻く。
マニラは少しピクっと動いた気がする。しかし、起きることはなかった。

ローウェン:「私は本心から、あなた方を危険に晒したくないと思っています。ですからこうして任務に送り出すのさえ、私にとっては耐え難い。……承知してくださり、感謝いたします」
ミリィ:「・・・行こうか。」
沖田 総介:「あんた、良い人なんだな。俺が見てきた上の人間とは偉い違いだ。奴等は俺達を駒としか思ってねぇからな。」
ミリィ:「僕は色んな人の心を見て感じてきた。だからこうなる人達の結末は分かるんだ、僕はその最悪な結末を見たくない。」
少し思う所があり、ミリィは顔を少し俯かせる。
しかし本当に恐ろしい目にあったヴァリエは、早く親に会いたいらしく、そわそわと周りを見渡している。
ヴァリエ:「あの……すみません、お母さんとお父さんは……」
沖田 総介:「大丈夫だ。心配ない。両親共無事だ。病院で待ってるらしいから、行こうか。」
ヴァリエの頭に手をポンッっと置いて総介はそう言う。
ヴァリエ:「はいっ」
ヴァリエは頭に手が置かれた途端、少し恥ずかしそうに顔を俯かせたが、元気な声で
と、顔をあげて返事をした。

ミリィ:「はは、じゃあ行こうか」
病院に向かっている最中、 「敵軍は、マニラの戦線離脱が確認され全員撤退した。トワイラスの任務は解決した」 とローウェンから通信が入った。
GM:そして、いまは病院の前だ。そこに親はいない。 親だけでなく、避難していってしまった人物含めてほとんど誰もいなかった。

ヴァリエ:「多分、中にいるんですよねっ」
沖田 総介:「・・・。何かおかしくないか。」
ミリィ:「おかしい?」
ヴァリエ:「えっとその……何がでしょう? すみません、私わからなくて・・・」
沖田 総介:「妙に静かすぎる。あれだけの戦闘で怪我人も多数出ただろう、今ここに誰も居ないなんておかしいだろ。」
ミリィ:「避難していたらのんきに外へ出て様子を見ている人はそうそう居ないと思うよ。」
ローウェン:「その点に関しては私が説明を加えておきますと、ちょうどその病院は、この事件が激しい地区のど真ん中に位置してしまっておりましたので、医者、看護師、患者含めて全員が別の病棟へ移動しているのです。いま静かなのは当然のことといえるでしょうな」
ミリィ:「なるほど、説明ありがとうございます。」
沖田 総介:「そうか。悪いな。妙に些細な事に敏感になってるみたいだ・・・。」
ヴァリエ:「……あ、それじゃあ私、探してきますねっ! 本当に今日は助けてくださりありがとうございましたっ」
ミリィ:「一人で大丈夫?」
ヴァリエ:「だ、大丈夫ですよっ。 私も一応、立派な元YDFだったんですからねっ」
ミリィ:「えっ、そうだったの!」
沖田 総介:「ぜんっぜん頼りないけどな!はっはっは!」
ヴァリエ:「そうですよーっ! ……って、頼りないだなんてひどいですよ、沖田さんっ。もぉ…‥」
みんなしていじめるため、ヴァリエはふくれっ面を二人は見る。しかし、そのふくれっ面さえ、彼女がしても小動物がするような可愛らしさがあった。
ミリィ:「ふふ、あははっ!」
ヴァリエ:「そ、それじゃあ探してきますからね! 今回はその、ありがとうございましたっ!」
ヴァリエは急いで後ろを振り返ると、病院の中へ姿を消していった。
G二人は心配そうに病院を見つめたが、総介は彼女を信じることを決意した。そして、晴れ渡った病院を見つめ、今回の任務が終わる達成感を感じていた。


3に戻る 5に進む
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

PAGETOP

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。